June 24, 2006 11:30

「逆カルチャーショック」


今日、初めて行ってきました、銀座。
そう、生まれて22年間、僕は銀座に行ったことがなかったのです。
成田で生まれて、18年間、そこで過ごしました。
しかも、高校は更に田舎の佐原市。
佐原の民には、「俺成田から」と言うと、
「すげえ!!都会じゃん!!」と言われて、いい気になってました。

そんな奴が、東京もロクに見ず、
というか、東京ってそもそもどこ?みたいな感覚のまま、
アメリカへ渡ってしまいました。
しかも行ったのは、超ド田舎の、Weed, CA.
そう、あのクリスタルガイザーの水源がある所ですよ。
その、あるのは綺麗な星空と山と湖だけの様な所で、一年を過ごし、
その後、シリコンバレー、サンノゼで2年過ごし(しかもチャリで)
最後の一年間を、ロングビーチで過ごしてる自分にとっては、
自分の中の、”込み入った”都会は、多分NYが最高だったのです。

そんなイナカモンの僕が、行ってきちゃいました、銀座。
いや、びびった!!!
まず、東京ビッグサイトから、”ゆりかもめ”に乗って、お台場とかを通り過ぎていた時点で、
そのハイテクさにびびってた。
「なんだこのビル郡は!すげえ!」とか、
「なんでこんなに込み入って建物が建ってるんだ!」とか、
「これがあの、お台場か!(←問題外)」とか。

とにかく、驚きと、感動と、そして、
カルチャーショックの連続。
ここまで込み入ったスペースに、これだけ高い建物を何個も作ってしまう日本人の技術は、やっぱりすげえ。
そして、何で、この狭いスペースに、港はあるは、ビルはあるは、電車は走ってるは、
こんなに沢山のものが一箇所に入ってるんだ!みたいな。
アメリカじゃ絶対ありえないって。
だだっ広い土地に、家がポツンと。
それに慣れた俺は、今日の東京近辺を見て、
かーなーり、ショックを受けていたのです。
イナカモン丸出しでした。


そして、遂に着きました、銀座。

いや、参ったね。

あの、情報量。
あの、きらびやかさ。
そして、その、全てのものの、ミスマッチ度。

なんで、モダンな感じのレストランで、なのに、ルネサンスのステンドグラスがあって、
でも、ウェイターは和食系の格好をしてて、
でも、シェフはフレンチハットをかぶってる?
そのミスマッチさなのに、なぜか銀座の街には合ってる?
そんな店が、所狭しと並ぶ。
デパート、レストラン、ショップ。。。
全てがネオンサインで明るく映し出され、そして、その狭い道路を、
スピードも出せないのに、ピカピカのスポーツカーが走ってる。
こりゃもう、近未来映画の世界だなと、
空いた口が塞がりませんでした。
「吉野家」の看板を見たとき、
やっと普段から見なれたものを見て、安心してたのは、
今日銀座にいた人たちの中で、ボクだけでしょうか?


今まで、自分は、世界が誇る、「TOKYO」を見ないまま、他の国に行ってしまったんだ。
そう思いました。
日本で生まれたくせに、「東京」を見ないまま、
他の国へ飛んでしまった。
しかも、ど田舎ばかりで暮らしてきた。
だから、今日、いわゆる「東京」たるものを見てきて、
ホント、ショックだった。
人間って、自分が想像できない次元のものが目の前に現れると、
ただ、ショックを受けるんですね。
途中、外国人ツーリストがデジカメで一生懸命写真を撮っていましたが、
その気持ちが痛いほど分かった。
俺も撮りたかった!一緒に。
そして、叫びたかった!
「東京ってスーパークレイジーやな!」と。

東京。
世界中から見たら、ここまで異質な場所は、そうないんじゃないかと思う。
とにかく、モノが溢れている。
大量生産。大量消費。
質はとにかく良く。
そして、値段もべら棒に高く。

本当、世界から見たら、
「クレイジーな」街。
そんな言葉が、ピッタリの所だと思う。

俺は今回、日本人以外の視点で、東京を見てた。
色々、他の国を見てきた上で、東京を始めて見たので、もう、ホントびびった。
どこの国とも違う。
どこの国よりも、モノが溢れている。
そして、みんな、それを「フツウ」と思って生きている。

俺は、ある意味、東京を知らずに他の国、しかもど田舎に行って良かったと思う。
もし東京を知ってたら、そんな田舎に飛ばされた時に、適応できなかったかもしれない。
「こんな原始的な生活、ありえん」と。
でも、今は、その素朴な生活、
インターネットさえない生活が、俺の基盤となってしまったらしい。
だから、少しモノがあるところへ移った時点で、すごく感激してしまう。
「すげえ!ネットが繋がるよ!ケータイがあるよ!
近くにバスが走ってるよ!」みたいな。

だから、今日東京、銀座を見てきて、
Too Muchだった。
モノが溢れすぎ。そして、それが余りにも、「当たり前」になり過ぎ。
あの生活に慣れた人たちは、今、自分の目の前に、
「モノ」があること。
それを、「幸せ」と思えるのだろうか?
多分、「フツウ」と思うに違いない。
あって当たり前。なかったら、不便。
そういう感覚かもしれない。


俺は、去年の夏も、アメリカを野宿とかで周ったから、
夜安心して寝られるスペースが確保できるだけで、もう感謝できる。
いつも感謝してるわけじゃないけど、それに対して、
「有り難いことなんだ」っていう頭は、いつもある。
でも、もし自分が、日本で生まれ、東京を若い頃から知り、
そのまま一生を、東京で過ごしていたら・・・?
もしかしたら、家があること、シャワーが浴びられること、
食べ物が食べられること、友達が近くにいること、
インターネットで誰かと繋がれること、車に乗れること、
全てを、「当たり前」と思って、生きていたかもしれない。
それで、一生終わっていたかもしれない。

こんなに世界は広くて、こんなに沢山の国があって、
しかも同じ国の中でも、こんなに様々な生活スタイルがある中で、
その人が生まれて、育った環境で、
その人の持つ、「常識」って、決まってしまうんだな、と、
世界の広さを感じた今日。

いや、今日はマジでカルチャーショックだった。


6.23.06


PS.
でも、銀座を歩く人たちの顔を見たけど、
「幸せ」って顔して歩いている人は少なかった気がする。
みんな、どこかしら疲れてたよな。
もしくは、何かに気を張って生きてる。
何かと、いつも比べてる。
そんな気がした。

帰りの電車で、疲れきった顔で帰宅する人たち。


「東京」。
世界中のどこの国にも、そのリッチさは負けないけど、
果たして、そこに住む人々の、「幸せ度」は?


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コメント一覧

3. Posted by Shun   June 25, 2006 20:51
Aiちゃん、
なるほどね。東京での生活、暮らし始めると、すぐに慣れちゃうんだろうね。人間ってそういうもんだよね。俺も実際、日本での生活に、もう慣れ始めたしね・・・w

Kayoさん、
いいよいいよ、行かなくていいよ東京は!疲れるだけや!俺らみたいな田舎もんにはね。俺はヘイワードの方がよっぽど魅力的だと思うけどねw
それと、サクラメント、いいところだよね。あの街はとてもいい雰囲気かもし出してるよね。
ぜひ日本へ帰ってくる前に、ナパバレーとかも行って下され。ワインを試食しに。あと、カーメルもね!
2. Posted by Kayo   June 25, 2006 11:09
東京かぁ…私も全然見てないってゆーか、怖くて生きたいとは思えない土地なんだよねぇ…。何でだろうね。

私は昨日Sacramentoに行って来ました。あれはあれですごいカルチャーショック!
こんなにのどかな都市がカリフォルニアにあったの〜?!って。馬とかトラクターとか。
この辺じゃお目にかかれなかったから!

何事も経験だよね。私も帰る前に、なるべく色んな場所へ足を伸ばすつもりです。
1. Posted by Ai   June 24, 2006 13:53
サクラメントから帰国してきて東京に住み始めて1年が経ちました。確かに、あの頃の原始的な生活より便利になったということに慣れて在りすぎる情報や人ごみ、に塗れて疲れている人々に埋もれて自身も疲れていることにも気がつかない東京人生の裏側です。

私はまたいつか、戻る予定です。
Too muchな文化に良いところもあるけど、
Shunくんがご指摘された通り、悪い面も沢山あります。

知らない日本を満喫してください。

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