March 27, 2006 18:30

「再会」


久しぶりの友との再会。
4年ぶりの再会。彼は、高校時代の親友。

本当に楽しかった。
時間がぶっ飛んだ。
かなりの時間を話したのに、全然話しきっていない、
そんな感じだ。
それが、本当に気の会う友というものかも知れない。

彼は、高校時代からやっているギターの道を目指し、アメリカに来た。
4年以来会っていなかったので、実際彼のギターの道が、
どんなものかは、全然知らなかったのだが、
今回会って、色々と彼のジャムの様子や、
学校での卒業式での演奏、
彼の使っている楽譜などを見せてもらって、
かなり感心した。

彼の使っている楽譜なんかは、俺が見ると、
チンプンカンプン。
まるで、宇宙の公式を解けと言われているようなもの。
でも、それが彼の進んでいる道で、
彼はその道で、ひたすら頑張っている。

彼がこっちにある学校に行っていた頃の話。
朝9時から授業。午後に少し帰ってきて、1時間ほど仮眠。
また、学校に出かけて行って、仲間と夜中の3時までジャムセッション。
家に帰り、4時間ほど寝て、また朝からクラス。
その繰り返しだったそうだ。
正に、飯と睡眠以外は、音楽尽くし。
しかも、自分の好きな道。
きついけど楽しい。
その、充実感。
彼は、それを一年続けた。

凄く濃く、中身のある、
貴重な時間を送っていたんだな、
そう話を聞いていて感じた。

俺も、実際にそういう状態の気持ちは分かる。
きついけど、楽しい。
寝る時間も無いくらいだけど、自分の好きな道を進んでいて、
毎日、凄まじいほどの充実感がある。
だから、やっていける。
何よりも、楽しい。
自分の力を、120%に出し切る、毎日。
その、充実感。


丁度一年半前ほど、そう、
丁度、彼がこっちに来て、その学校生活を始めた頃、
俺たちは久しぶりに電話で話をした。
彼が電話をかけてきてくれて、お互いの近況について話した。
そのとき彼は言っていた。
「毎日、もうめちゃくちゃ充実してるよ!」と。
その言葉を聞いて、俺は、もの凄くうらやましかったと同時に、
もの凄く、悔しかったのも覚えている。
何故なら、その頃の自分は、自分の行きたい道を、模索していたから。
頑張りたいのに、頑張れない。
力を出し切りたいのに、出し方が分からない。
出す方向が、分からない。

丁度その頃は、小学校高学年から憧れていた、
映画会社に入って特撮映像を作る夢をあきらめた直後だった。
その後、自分の次に目指す道を見つけるため、
自分が持っている、ありとあらゆる可能性を、全て試した。
自分は、何をするのが好きなのか、
何をしていて、一番幸せを感じるのか、
何を、一生かけてやり遂げたいのか。
それを見つけるべく、
自分が好きな事、興味のあること、
やってみたい事を、片っ端から紙に書いて、
一から全て試していった。
憧れていた、ルネサンスの絵画の修復の仕事も、
イタリアに行って、見に行った。
でも、その道も違う。
試せば試すほど、自分がそれらの道に向いていない事、
それらの道に、情熱を心から感じない事に気づき、
焦りと、不安だけが残っていた。

その頃の日記。
読み返すと、書いてある事は、毎日同じ。
「自分の行きたい道は何なのか」
「俺が、本当に人生でやりたい事はなんなのか」
「全力疾走をしたいのに、行くべき方向が分からない」
「何か、明確な目標が欲しい」

書いてある言葉は、完全燃焼不良の自分に焦りを感じる言葉ばかり。
丁度そのとき、彼と電話で話をして、
自分のやるべき事がはっきり分かり、
毎日をその道に向かって完全燃焼している彼を、
本当にうらやましいと思った。
当時のルームメイトに、
「高校時代の友達と話したんだけど、彼は今これこれしかじかで、
そういう状態にいる彼が、めちゃくちゃ羨ましいよ!!!」
と言っていたのを覚えている。


そして、時は経ち、
俺も、遂に次の目標を見つけた。
今は、やるのみ。
やるか、やられるか。
結果を出すか、出さないか。
その世界だ。

彼も、同じ。
俺はまた、彼と同じフィールドに立つことができた。
ここまで来たからには、後は、やるのみ。
やらなかったら、言い訳と、自分への甘さだけが残る。
とにかく、やるか、やられるか。


彼の、その学校時代の話を聞いていて、
今の俺、まだまだ、甘いと思った。
今までは、今の自分、
結構なレベルで頑張っている、そう思っていた。
だが、彼の話を聞いて、
彼の演奏を聞いて、
今までの自分が、まだまだ、甘い事に気づいた。
今の俺、絶対に、毎日120%まで燃焼してない。
まだ、力を持て余している。
そして、何がムカついたかって、
そんな状態なのに、それを、100%だと思っていた自分だ。
いつの間にか、自分に、低いハードルをかけていた。
それに、感覚で気づいた。


もしかしたら、前の俺にとっての限界が、
今は、簡単な段階に下がったのかも知れない。
ということは、俺のレベルがアップしたということ。
でも、アップしたのに、前と同じ頑張りでやっていたのでは、
何も伸びない。
せっかくレベルアップしたのに、同じフィールドで、
今まで通りの同じ敵と、ラクしながら戦っているようなものだ。
そりゃ、簡単さ。
自分のレベルが上がったんだからな。
でも、そこで、次のステージに進まなきゃ、
いつまで経っても、強くはなれない。
そして、今は、次のステージに行くべき事に気づいた。


彼とは、他にも色んな話をした。
日本の社会から、音楽、
人の考え、本の話など、様々。
時は過ぎ去ったが、俺たち全然話しきれてない。
また、次の再会が楽しみだ。


3.26.06


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